城壁など外構工事の手法として”版築”とは?

2018年7月9日 – 梅雨前線など影響で西日本を中心に広い範囲で大きな被害が出た今回の記録的な豪雨について、気象庁は「平成30年7月豪雨」と名付けました。

瀬戸内海に面する多くの県に多大な被害を残し住民の方々は避難を余儀なくされ多くの方が犠牲になりました。心よりご冥福を祈るとともに復旧に尽力される多くの方々に感謝申し上げます。

今年の5月初旬~中旬にかけて愛媛県松山市に出張をいたし愛媛県の多くの歴史ある建築物を通してそこの住まわれる人の気質や文化を理解し感銘して余韻覚めあらん、この時期に驚いています。

特に帰路間際に訪れた大洲市では市の発表によると、床上約3000世帯、床下約1600世帯の計4600世帯が浸水被害を受けたとのことです。

このブログでも紹介していて、訪れた目的の一部であった、大洲市には”臥龍山荘”という日本建築の美学が詰まっている国指定重要文化財があり脇を流れる”肱川”が氾濫(はんらん)し、7日午後にかけて幅広い地域で浸水被害があったことを思うと心配でなりませんでした。また、レトロな雰囲気で旧郵便局を改修した洋館で常設してあった”キネマの世界”や”アン・シャーリー”の世界(赤毛のアン)とかは無事だろうか・・・?

そんなことを気にしながら日々を過ごしております。亡くなられた方のご冥福をお祈りまた復旧に向けて一日も早く日常に戻られることをお祈り申し上げます。

さて、本日は私の師匠であれせられ愛媛市在住の川上先生による”古民家解體新書Ⅱ”の一部をご紹介させていただきます。

版築(はんちく)とは?

版築(はんちく)とは主に家屋の壁や城郭の土塁などの建設に用いる土壁に土や石(礫)若しくは
それらと少量の石灰等の混合物を混ぜて建築の基礎部分を堅固に構築するために古代から用いられ
てきた工法である。現在ではセメントを混ぜた土コンクリートといったほうがよいものを版築という
場合が多いが本来は別物である。また、版築という語は、工法自体を指す場合と、構造物を指す
場合がある。

版築の作成方法は
1.版築を積み上げる場所の両側を長さが1.5m程度、高さ10cmぐらいの板で囲み枠を作る。
板の高さを高くしないのは薄いほうが頑丈であるため。
枠は横に支えになる柱を立てるなど、強い構造にする必要がある。

2.板で挟まれた間に土を入れ、たたき棒や「たこ」と呼ばれる道具で、入れた土を硬く突き
固めていく。頑丈にするために土に小石や砂利、藁や粘土と石灰などを混ぜることもある。

3.板の高さいっぱいまで突き固めたら、板の上に新しく板を継ぎ足すか、今の板を外し
次の枠を作りこれを繰り返していく。

その他基礎に関する用語としては・・

地覆石基礎(じふくいしきそ)
割栗石の上に直接コンクリートを打ち、その上に花崗岩や安山岩などの地覆石(じふくいし)と
呼ばれる布石を据える基礎形式

亀腹(かめばら)
社寺建築において高床式の建物床下を1段地山を高くし饅頭のような形に粘土と漆喰で
固められたもの

根石(ねいし)
基礎に設ける石の総称

沓石(くついし)
柱や束を受ける裾が広がった形状の石

束石(つかいし)
柱や束を受ける直径20~25cm程度の玉石。
15cm角程度のコンクリート製のピンコロと呼ばれるものもある。

礎盤(そばん)
唐様建築(からようけんちく)柱と礎石の間に入る石

葛石(かつらいし)
縁石のこと。切り石や雨落ち溝の縁に並べられた玉石を指す場合もある。

以上”古民家解體新書Ⅱ”からでした。