”幽霊”に足を付ける。

今年、6月18日、大阪府北部での震度6弱の地震から2ヶ月が過ぎようとしています。
京都・奈良などが近く文化財の損傷が80件超あったそうです。

国は耐震化などの対策を促しますが
その「方法は確立されてなく多額の費用が必要」となります。
近畿の国宝や重要文化財の耐震化率は10%に満たないそうです。

私は”古民家”を含む昭和25年(建築基準法制定)以前の建築物全てをあえて”幽霊”と称させていただきます。
いわゆる、”既存不適格建築物”のことでありますが昭和56年6月に”新耐震基準”が制定されるわけですが昭和25年~56年までの建築物は地方自治体が助成金を制定し耐震診断、耐震改修、を熱心に促進しておりますが昭和25年以前の建築物は何の手立てもできないでいるのが現状です。
神社仏閣建築を含め増改築をしようと構造体に手を付ける設計事務所や施工部隊悪戦苦闘しておりますが・・・・
”限界耐力計算”で正式に石場建の建物を解析し補強している物件はどれだけあるのでしょうか?
”限界耐力計算”は高額(約60万位)になるのでそれを回避すると・・・
筋違計算を真壁納で算出して”確認申請”を何とか下付すれば中間・完了検査を受けずに施主に引渡してしまう。とか
(実際24㎜合板片面ア納めで5倍耐力、欄間を撤去して排煙計算)建築士としてはやってはならないことを黙認している行政…?。
また、間違った建築士の考案した構法によって破壊した古民家とか
(鉄骨のブレースを取付て地震発生時破壊…)
今年、やっと国交省から各自治体に古民家の取り扱いの”ガイドライン”が通達されました。
”幽霊”に足を付けるには
低コストでできる”インスペクション”と”耐震診断と改修”です。
最低これだけやれれば我々設計事務所が”耐震基準適合証明書”が発行できます。
”適確建物”にできるのです。
・空家譲渡所得特別控除
・買替時長期譲渡所得課税
・住宅ローン減税
・他多くの租税特別措置法施行令優遇税制
逆に”幽霊”であることは上記の優遇を受けられず消滅の一途をたどらざるを得ない運命だということでしょう。
時刻歴応答解析は超高層建築用に採用されてきた構造計算です。
それを平屋の古民家の構造解析に採用するのは理に叶っていると思いませんでしょうか?
是非、”幽霊”に足を付けてあげようではありませんか?
その後は、私たち建築士が快適に住まえるように考える努力をすればいいと考えます。
圧巻な小屋組だけ採用しコンクリート基礎を廻して・・・
”新民家”として新しい命として蘇る方法とか・・・・。
いずれにしても
私財豊かな方が自己満足のための道具だったり、店舗などのパフォーマンスとして利用される。(失礼!)
それはそれで意味のあることだとは思いますが・・・・・・

外国人観光客が多く訪れる「日本の文化的建物」
その「専門家が耐震鑑定をして修復する」のは急務の課題です。

国土交通省は「歴史的資源=古民家」の耐震化等を推進する為
条例ガイドラインを策定し、
各地方自治体に「その条例の推進」をしようとしています。

しかし地方ではなかなか手が回らず
「その条例制定=古民家の耐震化」は進んでいない現状があります。
「古民家の耐震化」を進めることは
「地域の大工さん・工務店さんの力が必要」ですから
地方の技術ある職人さんの育成・仕事の増加につながり、
しいては「地域活性化」にもなります。

元来古民家な長持ちしてきた住宅です。
それをもう100年利活用していくことが
現代に生きる私たちの使命でもあり
地方らしい風景を残すことにもつながります。
古民家の利活用でのビジネスが注目されますが
その耐震化には力を入れなくてはなりません。